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浦野 創; 鎌田 裕; 滝塚 知典; Suttrop, W.*; Horton, L.*; Lang, P.*; 久保 博孝; 大山 直幸; 竹永 秀信; 朝倉 伸幸
プラズマ・核融合学会誌, 81(4), p.280 - 287, 2005/04
ELMy Hモードプラズマにおけるコア部エネルギー閉じ込め及びELMによるエネルギー損失に対するペデスタル構造の役割をJT-60UとASDEX Upgradeにおいて調べた。高密度領域で見られる閉じ込め劣化はELMで制限されるペデスタル温度の低下と温度分布の硬直性によって起きていることを明らかにした。高三角度または不純物入射Hモードでは、それぞれ周辺部MHD安定性の改善,密度分布の中心尖塔化によって高ペデスタル温度が得られることによって、中心部の高閉じ込めが実現されることがわかった。ELMのロスの上限値はペデスタル部のエネルギーで決まることがわかった。ELM間の熱輸送はペデスタル部での衝突周波数の増加とともに増大し、ELM自体による損失パワーは次第に減少することがわかった。ASDEX Upgradeにおいて、ペレット制御がコア部の閉じ込めを維持しながら、ELMのロスを低減させる有効な手法であることを明らかにした。
浦野 創
JAERI-Research 2004-027, 131 Pages, 2005/02
Hモードプラズマのエネルギー閉じ込め特性のプラズマ密度依存性,プラズマ形状効果,不純物ガス導入の効果及びコアプラズマの熱流束の影響をそれぞれ解明した。また国際マルチマシンデータベースを用いて、JT-60UにおけるHモードの閉じ込め特性の他装置との比較を行った。高密度領域では、ペデスタル肩の温度の低下に伴って、コア部の温度勾配特性長を一定に保つように中心部温度が低下した。高三角度化及びアルゴン注入によるHモードについても、ペデスタル温度の上昇が炉心プラズマの閉じ込めを決定することがわかった。また炉心プラズマの熱流束が増加しても、温度勾配特性長を一定に保つように熱拡散係数が増大した。国際マルチマシンデータベースを用いた検討では、高三角度化が将来のトカマク炉において適した運転手法であることを示した。
浦野 創; 鎌田 裕; 白井 浩; 滝塚 知典; 井手 俊介; 藤田 隆明; 福田 武司
Nuclear Fusion, 42(1), p.76 - 85, 2002/01
被引用回数:33 パーセンタイル:69.82(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60UのELMyHモードプラズマをコア部及びペデスタル部に分離することによって、密度の増加による熱エネルギー閉じ込め性能低下の要因を解析した。高密度領域では、密度の増加に伴って、プラズマの熱エネルギーは増加しない。ペデスタル部の熱エネルギーは、タイプIのELMの制約によって、密度に対してほぼ一定に保たれるが、コア部の熱エネルギーもほぼ一定で変化しない。オフセット非線形スケーリング則に基づく閉じ込め改善度を評価したところ、MHD不安定性で決まるペデスタル部に比べて、ジャイロボーム的輸送で支配されるコア部の性能低下が著しいことがわかった。高密度領域では、ペデスタル肩の温度の低下に伴って、コア部の実効的熱拡散係数が増加する傾向が見られた。ELMによって制約されるペデスタル構造は、コア部の熱輸送を決定する境界条件として重要な役割を果たす。
坂本 宜照; 滝塚 知典; 白井 浩; 藤田 隆明; 鎌田 裕; 井手 俊介; 福田 武司; 小出 芳彦
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.4, p.249 - 252, 2001/00
JT-60U負磁気シアプラズマに形成される内部輸送障壁に対するトロイダル回転の効果を調べ、その能動的制御法を開発するとともに、エネルギー閉じ込め比例則の構築を行った。単一方向のトロイダル運動量入射は内部輸送障壁を減衰させ、その後、自発的に再形成する遷移現象が観測された。一方バランス入射では内部輸送障壁を維持する。この結果を応用し単一放電内でトロイダル運動量の入射方向を変化させて、強力な内部輸送障壁を減衰させた後に再び強めて維持することに成功した。このとき径電場シア分布の変化が重要な役割を担っていることを明らかにした。またエネルギー閉じ込め比例則の構築によって内部輸送障壁を持つ負磁気シアプラズマの蓄積エネルギーは、内部輸送障壁足部位置のポロイダル磁場に強く依存していることを見いだすとともに、内部輸送障壁壁とポロイダルラーモア半径の比にも依存することを明らかにした。
浦野 創; 鎌田 裕; 久保 博孝; 櫻井 真治; 白井 浩; 滝塚 知典; 波多江 仰紀; 井手 俊介; 藤田 隆明; 福田 武司
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.4, p.239 - 242, 2001/00
重水素プラズマとアルゴンを注入したプラズマを比較することによってELMy Hモードの熱エネルギー閉じ込め性能に及ぼすペデスタル温度の役割を明らかにした。ELMy Hモード時におけるペデスタル構造はコア部の閉じ込めに対する境界条件としての役割を果たすと考えられているが、実際、ペデスタル部の密度や温度は相互に依存しあって変化するために、その境界条件となるファクターを同定することは困難である。本研究では、アルゴン入射のプラズマを用いて、境界条件となる物理量を検出した。ELMy Hモードではプラズマ中心部の熱伝導係数はペデスタル温度の増加ともに低下する傾向が見られた。密度が増加すると、ペデスタル圧力を一定に保つように、ペデスタル温度は低下するが、アルゴンを注入したプラズマはイオン密度が低いため、高いペデスタル温度が得られ、高い閉じ込め性能を実現することを明らかにした。
白井 浩; 滝塚 知典; 小出 芳彦; 内藤 磨; 佐藤 正泰; 鎌田 裕; 福田 武司
Plasma Physics and Controlled Fusion, 42(11), p.1193 - 1217, 2000/11
被引用回数:55 パーセンタイル:82.38(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60UのNBI加熱ELMyHモードプラズマにおいて無次元輸送研究を行った。プラズマ断面の三角形度が大きい場合と小さい場合について、電子及びイオンの規格化熱拡散係数*及び*の規格化ラーマ半径*依存性を調べ、いずれの場合も*及び*は強い*依存性を持つことを明らかにした。これは*の値が小さい将来の核融合炉において熱拡散係数が小さくなり、炉をコンパクトに設計できることを示す。ただし、ELMの強度が強くなった場合には、*の強い*依存性は変わらないものの*の*依存性は弱くなり、イオンのエネルギー閉じ込め性能の劣化が顕著になることを明らかにした。したがって、ELMの抑制は将来の核融合炉では必須の課題となる。また、規格化エネルギー閉じ込め時間*の規格化衝突周波数*依存性は弱いことを明らかにした。
浦野 創; 鎌田 裕; 白井 浩; 滝塚 知典; 井手 俊介; 藤田 隆明; 福田 武司
JAERI-Research 2000-037, 38 Pages, 2000/10
JT-60UのHモードプラズマをコア部及びペデスタル部に分離することによって、密度の増加による熱エネルギー閉じ込め性能低下の支配的な要因を解析した。ペデスタル部の熱エネルギーは、タイプIのELMの制約によって、密度に対してほぼ一定に保たれるが、コア部の熱エネルギーもほぼ一定で変化しない傾向が認められた。オフセット非線形比例則に基づく閉じ込め改善度を評価したところ、MHD不安定性で決まるペデスタル部に比べてジャイロボーム的輸送で支配されるコア部の性能低下が著しいことがわかった。高密度領域では、ペデスタル肩の温度の低下に伴って、コア部の実効的熱拡散係数が増加する傾向が見られた。高Hモードでは、内部輸送障壁形成によりコア部のエネルギーが増加するが、同時に周辺部安定性が改善され、ペデスタル部のエネルギーも増加した。
白井 浩; 菊池 満; 滝塚 知典; 藤田 隆明; 小出 芳彦; 坂本 宜照; 内藤 磨; 波多江 仰紀; 諫山 明彦; 鎌田 裕; et al.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 42(suppl.5A), p.A109 - A115, 2000/05
被引用回数:28 パーセンタイル:64.36(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの負磁気シアプラズマでは、密度・温度勾配が非常に大きい内部輸送障壁層(ITB層)において非常に強い径電場シアが形成され、ブラズマ中心領域の閉じ込め性能が改善される。径電場は、プラズマ回転・圧力分布・磁場配位によって決定されるので、本研究ではITB層が形成された後、接線NBIの入射方向(順方向・逆方向)及び入射位置(プラズマ中心部・プラズマ周辺部)を変えてプラズマ回転分布に変化を与え、ITB層及びプラズマ中心部の閉じ込め性能に対する影響を解析した。同じ入射パワーでも、接線NBIによりITB層近傍のプラズマ回転が大きく変化した場合には、ITB層における径電場シアが弱くなり、プラズマ中心領域の閉じ込め性能が劣化することを明らかにした。ただしプラズマ中心領域への加熱パワーの増加により、プラズマ回転分布変化に伴う中心領域の閉じ込め性能劣化を回避できることも明らかにした。
栗原 研一
プラズマ・核融合学会誌, 76(1), p.65 - 82, 2000/01
トカマク型核融合炉装置を用いた実験では、プラズマの平衡状態(電流分布・位置・形状等)が、エネルギー閉じ込め性能と強く相関を持っているうえ、真空容器内に設置された装置機器の健全性を損なう要因にも成り得るため、その状態の高精度把握及び制御が必要不可欠な要素である。このプラズマ平衡の実験解析について、おもに電磁気計測信号から求めるさまざまな手法について、データ解析や制御への利用を想定して数理的観点で整理を試みるとともに各種手法のレビューを行う。またアクチュエータと平衡諸量とを結ぶ実験解析上の簡易モデル構築の方法論についても触れる。
白井 浩; 炉心プラズマ研究部; 核融合装置試験部
プラズマ・核融合学会誌(CD-ROM), 76(1), 4 Pages, 2000/01
日本原子力研究所の大型トカマク実験装置JT-60Uでは、プラズマ電流立ち上げ中に加熱を行うことにより、プラズマ中央部で磁場のシアが負となる負磁気シアプラズマを生成し、磁場シアが零となる点の近傍において密度・温度勾配が急峻となる内部輸送障壁を形成して、その内部領域での粒子・エネルギー閉じ込め性能の飛躍的な改善を得ている。動画の映像は軽水素プラズマにおける内部輸送障壁の成型過程を可視TVで捉えたものである。時刻3.1秒に放電を開始、NBI加熱を3.4秒に開始し、4.2秒、5.0秒と段階的に加熱を増加することにより、負磁気シア配位による内部輸送障壁を形成している。中心イオン温度は9keVで、通常はプラズマ中心部からの発光は見られない温度領域であるが、内部輸送障壁の形成による電子密度の増加のため、可視制動放射による強い光が観測されている。
浦野 創; 鎌田 裕; 白井 浩; 滝塚 知典; 井手 俊介; 藤田 隆明; 福田 武司
Proceedings of 27th European Physical Society Conference on Controlled Fusion and Plasma Physics, p.956 - 959, 2000/00
JT-60UのELMyHモードプラズマをコア部及びペデスタル部に分離することによって、密度の増加による熱エネルギー閉じ込め性能低下の要因を解析した。高密度領域では、ペデスタル部の熱エネルギーは、タイプIのELMの制約によって、密度に対してほぼ一定に保たれるが、コア部の熱エネルギーもほぼ一定で変化しない。オフセット非線形スケーリング則に基づく閉じ込め改善度を評価したところ、MHD不安定性で決まるペデスタル部に比べて、ジャイロボーム的輸送で支配されるコア部の性能低下が著しいことがわかった。また、ELMで失われるエネルギーは境界部の蓄積エネルギーに匹敵することがわかった。高密度領域では、ペデスタル肩の温度の低下に伴って、コア部の実効的熱拡散係数が増加する傾向が見られた。ELMによって制約されるペデスタル構造は、コア部の熱輸送を決定する境界条件として重要な役割を果たす。
白井 浩; 菊池 満; 滝塚 知典; 藤田 隆明; 小出 芳彦; Rewoldt, G.*; Mikkelsen, D. R.*; Budny, R.*; Tang, W. M.*; 岸本 泰明; et al.
Fusion Energy 1998, 2, p.405 - 412, 1999/00
JT-60Uの中心閉じ込め改善プラズマにおける巨視的閉じ込め特性及び局所輸送特性を径電場シア形成の観点から研究した。JT-60の内部輸送障壁(ITB)は、その圧力分布から大きく「パラボラ型ITB」と「箱形ITB」に分類することができる。パラボラ型ITBでは、プラズマ中心領域全体で熱輸送係数は軽減されるが、径電場シアは弱い。一方、箱型ITBでは薄い内部輸送障壁層において非常に強い径電場シアが形成され、熱拡散係数は新古典拡散程度まで減少する。内部輸送障壁層において径電場シアにより生じるEBフローシアの強さは、微視的不安定性の成長を十分抑制しうる。Lモード閉じ込めとHモード閉じ込めが繰り返し起こる高イオンモードプラズマにおいて、熱輸送係数が径電場シアに依存し、強い径電場シアにより熱輸送係数が軽減されることを明らかにした。
白井 浩; 菊池 満; 滝塚 知典; 藤田 隆明; 小出 芳彦; Rewoldt, G.*; Mikkelsen, D. R.*; Budny, R.*; Tang, W. M.*; 岸本 泰明; et al.
Nuclear Fusion, 39(11Y), p.1713 - 1722, 1999/00
被引用回数:68 パーセンタイル:87.07(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの中心閉じ込め改善プラズマにおける巨視的閉じ込め特性及び局所輸送特性を径電場シア形成の観点から研究した。JT-60Uの内部輸送障壁(ITB)は、その圧力分布から大きく「パラボラ型ITB」と「箱型ITB」に分類することができる。パラボラ型ITBでは、プラズマ中心領域全体で熱拡散係数は減少するが、径電場シアは弱い。一方、箱形ITBでは薄い内部輸送障壁層において非常に強い径電場シアが形成され、熱拡散係数は新古典拡散程度まで減少する。内部輸送障壁層において径電場シアにより生じるEBフローシアの強さは、微視的不安定性の成長を十分抑制しうる。Lモード閉じ込めとHモード閉じ込めが繰り返し起こる高イオンモードプラズマにおいて、熱拡散係数が径電場シアに依存し、強い径電場シアにより熱拡散係数が軽減されることを明らかにした。
白井 浩; JT-60チーム
Physics of Plasmas, 5(5), p.1712 - 1720, 1998/05
被引用回数:43 パーセンタイル:77.9(Physics, Fluids & Plasmas)本年6月に完了したJT-60Uのダイバータ改造後の実験の進展について報告する。ダイバータ排気付きW型ダイバータに改造したことにより、不純物制御、熱制御性能が向上した。ヘリウムビーム入射による灰排気模擬実験では、ダイバータ排気により、プラズマ内の滞留ヘリウムを低濃度に抑えることに成功した。またELMy Hモード実験では、9秒間に及ぶ積算203MJのNBI加熱エネルギーにもかかわらず、重水素のリサイクリングや炭素不純物の増加を伴うことなく、良好なエネルギー閉じ込め改善度1.7を保持した。負磁気シア配位プラズマでは、内部輸送障壁形成後のNBIパワー抑制により、ディスラプション発生を回避し、4秒以上エネルギー閉じ込め改善度1.7のELMy Hモード状態を維持した。また負磁気シア配位で、内部輸送障壁において発生するドリフト波不安定性が、プラズマ回転による電場形成で抑制されることを明らかにした。
滝塚 知典
Plasma Physics and Controlled Fusion, 40(5), p.851 - 855, 1998/00
被引用回数:29 パーセンタイル:66.25(Physics, Fluids & Plasmas)ELMyHモード閉じ込めに関するオフセット非線形比例則を、ITERHモード閉じ込めデータベース(ITERH.DB2)の解析に基づき開発した。熱エネルギー閉じ込め時間=Wo/P+において、オフセット部Wo=0.082KR1pB(BR)はELMに対するMHD安定性から決まる。この形から、境界ペデスタルの巾はラーマ半径に弱くしか依存しないことが示唆される。増分閉じ込め時間=0.043Ra(1n)(BR)Pは、中心プラズマにおけるジャイロボーム型に近い輸送から決まる。この比例則から予測されるITERのは4-7秒であり、その値は、一般の冪乗型の比例則から予測される値より小さくなっている。
滝塚 知典; 福田 武司; 鎌田 裕; 菊池 満; 松田 俊明; 三浦 幸俊; 内藤 磨; 玉井 広史; D.Boucher*; G.Bracco*; et al.
Fusion Energy 1996, 2, p.795 - 806, 1997/00
ITERにおけるLH遷移の閾値パワーと閉じ込め性能を予測するために、データベースの集積と、そのデータ解析を進めている。閾値パワー比例則P~BnRを求め、ITERでの予測値が1002MWとなった。Lモード閉じ込めデータベースの解析から熱エネルギー閉じ込め時間比例則を得た。拡張されたITER Hモード閉じ込めデータベースの解析により、ITERにおけるELMy Hモードでの閉じ込め時間は6(10.3)秒と予測した。規格化ラーマ半径の減少に対して系統的なの劣化はないことが分かった。次元的に正しい形のオフセット線形則も、ITERに対し同様のの値を与える。
白井 浩; 滝塚 知典; 小出 芳彦; 鎌田 裕; 石田 真一; 森 雅博; 内藤 磨; 佐藤 正泰; 伊世井 宣明; 福田 武司; et al.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 38(8), p.1455 - 1460, 1996/08
被引用回数:5 パーセンタイル:20.74(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの中心イオン温度が20keVを越える中心閉じ込め改善モードプラズマにおいてLモードとHモードの間を遷移する際の閉じ込め改善度の時間変化を解析した。電子温度とイオン温度が増加の過程にあり、閉じ込め改善度が近い時に起こる最初のL-H遷移では、閉じ込め改善度は瞬時に増加するが、Hモード遷移後も閉じ込め改善度はエネルギー閉じ込め時間のゆっくりした時間スケールで引き続き増加するといった、2段階の異なった時間スケールで変化することを明らかにした。一方追加熱後十分時間が経過し(1秒以上)閉じ込め改善度がほぼ頭打ちになった時に生じるH-L遷移及びそれに続いて発生するL-H遷移では、最大閉じ込め改善度と最小閉じ込め改善度の間を、よりも短い時間スケールで増減することを明らかにした。
鎌田 裕
Plasma Physics and Controlled Nuclear Fusion, 38(8), p.1173 - 1188, 1996/08
被引用回数:7 パーセンタイル:28.4(Physics, Fluids & Plasmas)各国のトカマク装置で得られた複合Hモード及び改善Hモードに関するレビューを行う。複合Hモードとしては、高p Hモード、スーパーショットHモード、ペレット入射Hモード、CHモード、負磁気シアHモード、高内部インダクタンスHモード等がある。改善Hモードとしては、VHモード、高TIHモードがある。改善閉じ込めの原因としては、EBシアの増大、Ti/Teの増大、密度分布の尖頭化、磁気シアの上昇及び低下等が報告されている。将来的に大切なことは、電子加熱時に発生するか否か、定常状態を維持できるが、高粒子リサイクリングと両立するか、安定性マージンが大きいか等の問題である。今のところ、これらすべてを満たす複合/改善Hモードは得られていない。今後の定常核融合炉の高性能化のために解決すべき諸問題を提示する。
白井 浩; 滝塚 知典; 佐藤 正泰; 小出 芳彦; 平山 俊雄
Europhysics Conference Abstracts, 20C(Part1), p.339 - 342, 1996/00
JT-60Uの中心閉じ込め改善モードプラズマ(ICCプラズマ)における電子とイオンの熱輸送特性を、H-L遷移の直前及び直後で比較した。電子及びイオンの熱拡散係数のH-L遷移における相対変化e/e、i/iはプラズマ電流に依存しないことが判明した。また、蓄積エネルギーの熱化成分の経験則を用いたエネルギー閉じ込め改善指標(THファクター)のH-L遷移における相対変化との関係を研究した結果、e/eは比較的低いTH/THの値で飽和するのに対して、i/iはTH/THと共に増加すること明らかにした。このことにより、Hモードプラズマにおけるエネルギー閉じ込め性能の向上において、イオンの熱輸送軽減が重要であることを明らかにした。
竹永 秀信; 清水 勝宏; 朝倉 伸幸; 辻・飯尾 俊二*; 嶋田 道也; 菊池 満; 内野 喜一郎*; 村岡 克紀*
JAERI-Research 95-051, 38 Pages, 1995/07
JT-60U装置における粒子閉じ込め特性を明らかにするため、水素原子挙動解析を行い粒子閉じ込め時間を定量的に評価した。まず、モンテカルロ中性粒子輸送解析コードDEGASを、周辺プラズマパラメータを求める簡易ダイバータコードと組み合わせ、JT-60U実験条件のもとで計算できるように整備した。次に、このコードの計算結果と放射光測定結果との比較から、水素原子の主プラズマへの侵入過程を明らかにし、主プラズマでのリサイクリングによる荷電粒子生成数を評価した。さらに、粒子バランスを定量的に解析し、粒子閉じ込め時間を求めた。この解析を、JT-60U装置のLモード、Hモードプラズマにおいて系統的に行い、粒子閉じ込め時間のデータベースを得た。